(株)ダイレクト21

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従来ダイカスト法に比べ、鋳巣比率90%超の減少を実証

真空法の製品密度低下を補う「ガス抜きランナー加圧」


近年、ダイカスト製造で普及する真空ダイカスト法の高真空化で、ガス抜き部容積の巨大化により2次充填時間増にともなう製品密度低下が問題となっている。この対策手法としてダイレクト21(神奈川県相模原市、岩本典裕社長)はランナーからの第二射出を取り入れた業界初の鋳巣不良手法、ランナー加圧(ゲート凝固前)の第3弾として「ガス抜きランナー加圧」を開発した。


仕組みは真空やチルベントランナーの一部を湯溜まりにして通常射出した後250MPaで加圧を行なう流れだ。使用・不使用で「効果が容易に確認でき、手離れがいい(評価しやすい)」(同社)のが利点で、完成車メーカー等のユーザーからは金型改造も容易で横展開しやすいとの評価を得ている。


今回のガス抜き加圧が完成したことで、ランナー加圧は製品全体の密度向上を図る基本版、意図した部分密度の向上を図れる部分加圧と、3つの工法が揃い、様々な鋳造不良に対応できるようになった。


ランナー加圧の原理は従来鋳造の射出をワンパンチとした場合、ツーパンチの超高圧加圧により鋳巣体積が従来鋳造法に比べ大幅減少させる仕組み。ランナー部からの第二射出は溶湯が逆流(チップ後退)するため定着しなかったが、これに対し同社のランナー加圧は逆流防止溝(オリフィス効果、国内外特許出願済)を設け実用化を決定付けた。

初発表時(ダイカスト新聞2021年2月28日号)では大手メーカーによるCTスキャンテストで鋳巣比率が従来鋳造法を100%とした場合、ランナー加圧は16・5%といった結果だったが、今回新たにテストした結果では4・0%とさらに激減し、製品重量も従来法が809㌘とすると3・7%増(30㌘増)の839㌘になった。これも逆流防止溝効果だという。



含浸レス、多数個取りもランナー加圧1カ所で対応

これにより従来は全数含浸が必要だった製品の含浸レスに近づけ、また同一キュアリングタイム中にランナー加圧を行うためサイクル遅れがないのもメリットだ。多数個取りもランナー加圧1カ所で対応できる。ランナー加圧は製品部形状が変わるわけではないので客先承認不要でダイカスター各自で品質改善できる柔軟性もある。

さらにダイカストマシンの大幅なダウンサイジング化に貢献し、350㌧機⇒800㌧製品、800㌧機⇒1650㌧製品とダイカスターにとっては既設マシンでより大型の製品を取り込める利点も大きく、現在、完成車メーカー、ティア1及び専業大手からの引き合いが活発だ。


大型機用に続き、中小企業向けモデル(430万円)も発売開始

このため今夏から秋にかけ8台納入する予定で、大型ダイカストマシン向けの特大型のほか中小企業向けにこのほど新開発した汎用型(430万円、据付、立合費含む)も納めていく。標準型は遠隔操作で速度調整できるが、汎用型は手動に代え、価格を100万円抑えた。他の仕様は標準機と同じになる。

ランナー加圧装置にはストローク検出ユニットが標準装備されており、金型に取り付ける加圧シリンダーの位置と戻限LS信号が取り出せるので導入が容易で、新開発装置では油圧ブロックと一体化に成功した。



なお、動画URLは(https://youtu.be/TNvuznCUTRw)またはQRコード。

動画では日本独自(国内または日系企業)のダイカストによるモノづくりをテーマに掲げ、耐圧強度品やダウンサイジングができるランナー加圧(国際特許(PTC)出願)の説明を行なっている。


動画 https://youtu.be/TNvuznCUTRw

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