変種変量生産を得意とする中小ダイカストメーカーの省人化を支援する

ダイカスト部品のバリ取り特化

「デバリングセンターSPEEDIO　DG-1」

プログラム専門知識不要、誰でも簡単に扱え、作業効率向上

ブラザー工業（株）

ブラザー工業（池田和史社長）はダイカスト部品のバリ取り加工に特化し、使いやすさを追求した専用機「デバリングセンターSPEEDIO（スピーディオ）DG-1」を9 月24 日に発売した。人材不足が常態化するなか、ロボット等の自動化機器類のニーズが増しているが、プログラム等で手間が掛かり、中小企業では導入しても即戦力化できないケースもある。こうした課題を踏まえ、専門知識がなくても誰でも簡単、迅速に扱える自動化装置として「DG-1」は開発した。手間が掛かる多品種少量の生産を、省人化で対応できる機種として中小ダイカストメーカーの生産を支援する。

従来のSPEEDIO が部品加工を目的としていたのに対し、「DG-1」はダイカスト部品製造時のバリ取り専用機として開発、広い加工エリアを持ち、中型クラスのダイカスト部品加工に適し、自由度の高い治具設計が可能なため変種変量生産に対応できる。ダイカストは安定した大量生産性が最大の特徴だが、近年は多品種少量の需要にも対応できる中小ダイカストメーカーが増加しており、開発した「DG-1」はこうした企業を対象に販売を拡げていく構え。

同機は11 月開催の日本ダイカスト会議・展示会や日本国際工作機械見本市で出展する。標準価格は９８８万円（税抜）１０８６万円（税込）。問い合わせはマシナリー事業産業機器営業部TEL(0566)95-0080。

加工立ち上げ時間を約70％短縮

「DG-1」は独自機能により、加工立ち上げ工数を大幅削減、NCプログラムの専門知識が不要で、短時間で簡単立ち上げできるのが利点。人手不足のなかバリ取りの自動化需要が高まっているが、ロボットやNC 加工機は、加工経路を作成する際、再設定(再教示)作業やNC プログラム修正を繰り返すため、多くの時間を要すが、「DG-1」はこれらの作業が不要で、加工の立ち上げ時間を約70％短縮できるケースもある。（同社調べ）

これまでロボットやNC 加工機を使用したバリ取りは、プログラム作成にも時間を要し、頻繁に生産部品が変わる変種変量生産に柔軟対応しにくい点があった。加えてダイカスターは鋳造専門であり、加工専門ではないため、加工経路を修正する等の作業にも時間がかかり、作業効率面で課題があった。

こうした現場で挙がる問題に対し、同社は誰でも簡単に扱え、作業効率を飛躍的に向上させるため解消へ「DG-1」は代表点の設定や直感的な経路補正などの簡単な操作方法に加え、加工経路の自動生成やプログラムの自動変換など独自の加工立ち上げ機能を搭載。NC プログラムの専門知識が基本的に不要でも立ち上げを短時間で行える。

具体的には独自機能として部品の代表点のみ設定すれば、加工経路を自動生成できる。代表点を設定するためのティーチングコントローラ(オプション)は、移動方向や速度を直感的に操作でき、作業効率向上につながる。さらに機械の移動速度と力を抑える低トルク機能も搭載し、ミスが発生しても機械が異常な接触を検知して停止し、故障リスク低減を図れる。

また自動生成された加工経路を直感的に修正することも可能で、NCプログラムを直接触る必要はなく、タッチパネルで修正したい箇所を選択し、補正量を入力するだけで加工経路や条件を修正できる。

主軸最高回転数20,000min-1

DG-1は主軸テーパ穴：7/24テーパ No.15、主軸最高回転数20,000min-1で、この主軸モーターにより、適正な加工条件を設定できるほか、バリ取りに適した剛性を持つ主軸によって、バリの大きさに影響されず、安定したバリ取りが可能。またダイカスト部品本体を削りすぎることなく高品質を保てる。加えてピックアップ方式の6本マガジンを搭載し、バリの形状に合わせたバリ取り工具の選択が可能。さらに開閉方式のマガジンカバーを採用することで、切粉の影響を最小限に抑えられる。

仕様は次の通り。移動量X:500mm Y:300mm Z:275mm、A軸：360度、A軸回転中心から主軸端面までの距離:80mm～355mm、テーブル最大積載質量50kg、主軸回転数1min-1～20,000min-1、工具収納本数6本、所要床面の大きさ    998mm×1,656mm【制御装置扉開口時：2,494mm】。

◆お問い合わせ先

　マシナリー事業 産業機器営業部

　TEL：  0566-95-0080

　ＳＰＥＥＤＩＯ　マシナビ

　ＵＲＬ：https://www.brother.co.jp/product/machine/speedio-navi/index.aspx