WEB SPECIAL

特別寄稿第

    ギガ・キャストだけではない 

 Cast-Designer シミュレーション 

〜ダイカストは新しい時代へ〜

   ギガ・キャストだけではない 

                   Cast-Designer シミュレーション

鹿取事務所

                            鹿取貞夫

               C3P International _Software Co., Ltd.

Dr. Xiaojun Yang

大きく複雑な構造物の鋳造

キャストデザイナーは、EV車の製造に欠かせないギガ・キャストにおいて先駆的な取り組みを見せている。ギガ・キャスト に必要な時間と労力は、鋳造業界のこれまでの経験の中で前例のないものである。ギガ・キャストは現在、車両の後部と前部を超えてサブフレームとバッテリーケースにまで拡張されている。

9月に開催されたドイツのIAAはEV(電気自動車)が話題だった。独フォルクスワーゲン(VW)も価格は約2万ユーロ(約260万円)と、現行の主力車種「ゴルフ」より3割以上安い。計画では、2030年までに欧州での販売台数の70%以上をEVが占めるようになる。中国では今年中に30%に達する可能性がある。

一方、日本ではEVやFCVは価格が高く、新たなインフラが必要となるため、普及には時間がかかることが予想されている。HVは既存のインフラを活用でき、CO2削減効果が他国と同等だからだ。EV車のシェアは現在2%と推定されている。しかし、状況は急速に変化している。低価格の輸入EV車の普及に伴い、充電設備などのインフラ整備が進んでいる。都内の量販店など100カ所に無償電源設備を増設し、今後全国に拡大していくという。

一度に複数の部品を鋳造する複合鋳造はEV車に限定されない。これは産業革命である。不要になった部品を製造するメーカーは、新たな分野に進出するか、複合部品を作る技術を確立する必要がある。機械メーカーもこの急変に対応している。複合ダイカストは、そのための「プロトタイプ金型」を製作する重力鋳造に大きな需要も生み出す。EV化によって生まれる新しい需要は電気部品をはじめ多岐にわたる。ブロー成形、チクソ・キャスティング、ホットチャンバーによる精密部品がEV向け以外にも成長する。Cast-Designer は、これらすべてのゲート・システム設計と解析をするソフトウェアである。

FEM解析のメリット

大企業では、Cast-Designerが使用するFDM(差分法)、FEM(有限要素法)およびCFD(Computerized Fluid Dynamics)の代わりに、FEA (有限要素解析) またはハイブリッド解析法 (FEA+CFD) が使用されることが多い。その計算の準備と設定には多大な労力と時間がかかるため、新規プロジェクトの開発を妨げる。新規プロジェクトを開発にはCast-Designerのゲート・システム設計とシミュレーションに大きな利点がある。それにより、高速化できる。Cast-Designerは瞬間的ともいえるGeo-Designerによる事前解析から始まり、とゲートシステム設計からソリューションに至るすべてのプログラムがパッケージに構成され、優れたオプションで補完する。重装備の解析チームの他にCast-Designerを活用する機敏な攻撃チームを持つことは、その企業の活力を刺激し高揚させる。

中小企業にとっては、高機能かつ比較的低価格なCast-Designerを利用することで、迅速なソリューションを得て、市場参入機会喪失を防げる。不良率を下げ、コスト削減ができる。人手不足、エンジニア不足を解決する。解析から再設計、プロトタイピングまでのプロセスの度重なる繰り返しを防ぐ。設計・製造技術者の知見を深め、新人技術者を育成する。Cast-Designer のオプションであるブロー成形やチクソ鋳造あるいは微小な精密製品群の鋳造解析が、特徴ある製品の開発・生産に企業を導く。

Cast-Designerは機敏な別動隊

まず、Geo-Designerによるフロント解析により、質量分布が即座に表示され、どこに問題があるかがわかる。ギガをはじめ大型および複雑部品には必須ともいえる。フロント解析にもとづいて 修正された計画によって以降の工程の無駄が排除される。一般の重力鋳造シミュレーションには省力化効果が高い。

Cast-Designerの特色はゲート・システム設計にある。特にスマート・ランナー機能は、複雑なランナー・システムを自動的に設計し、されにポストプロセスの繰り返しを防ぐQuickCast機能が迅速な解析を助ける(図1)。Geo-Designerに始まり、これらすべてがギガ・キャストに大きく貢献する(図2)。ゲート・システムと部品、金型あるいはスリーブ等を含めたフル・カプルにも高速で解析する。ストレスまたは部品の応力、パーフォーマンス、鋳造欠陥の検出もする。

Cast-Designerの重力鋳造パッケージは、ギガ・キャストに必要な多数のプロトタイプ金型の設計シミュレーションを迅速に実行できることが注目されている(図3)

(図1) 

Smart Runner:複雑な3Dデザイン・ゲート・システムの自動的な設計をサポート

(図2)

ギガ・キャスト工程をシミュレーションする 

(図3)

複雑な重力鋳造部品(アルミ・ハウジング)をシミュレーションする。 

FEM (有限要素解析) では、生成されたメッシュが解析の目的を十分満たす必要がある。非常に細かいメッシュは精度のレベルを高めるが、計算時間が過度に消費されるか、コンピューターの能力を超える。Cast-Designer の高速メッシュは、六面体メッシュを利用して指定した部分のみを細分化し、残りのメッシュを相対的に大きくすることで、計算時間と計算負荷を軽減する。必要に応じて、六面体以外の適切なメッシュ形状に変換して計算することもできる。

3Dメッシュ・アセンブリを作成できる機能により、製品部品を他のコンポーネント (スリーブ、物理的金型など) と統合して、熱流体解析、応力解析、サイクル解析を行うことができる。各コンポーネントのインターフェースに接するメッシュ・ノードを接続する必要がある場合、それらを結合することができる(図4)。高速の冷却設計解析機能は水管設計をチェックして冷却の最適化を助ける(図5)。

(図4) 

混合FEA要素を使用して永久金型鋳造のダイセット全体を記述する。

(図5) 

ファスト・クーリング機能は、冷却システムの設計を迅速に確認し、冷却の最適化を提案する。

溶接シミュレーションソフト

Cast-Designer Welding は、自動車、車両、航空機、石油掘削、重工業、鉄道、原子力産業、造船、橋梁、パイプ構造物などの大型構造物の溶接をシミュレーションするソフトウェアである(図6、図7)。大型構造物の溶接欠陥は、後日莫大な修理費や事故処理費用を招く。それは絶対に防がなければならない。しかし、巨大な構造物の隅々まで物理的に検査することは困難である。シミュレーションにより、検査や溶接データの修正にかかる労力と時間を大幅に節約することができる。

Cast-Designer Welding は、清華大学の30年間にわたる研究の成果であり、多くの世界最大手企業に導入され、Cast-Designer開発元C3P社のビジネに大きな成果をもたらしているソフトウェアである。最近では世界最大とされる車両の溶接シミュレーションに成功し、その製造に貢献している。

Cast-Designer Welding では、FEM (有限要素解析) を使用して溶接ラインをシミュレーションする。Cast-Designer Welding を大規模構造物に適用し、溶接シミュレーションを実行することで、溶接プロセス中の材料の挙動を予測および視覚化できる。これには、熱が熱膨張や変形などの材料特性に与える影響や、さまざまな荷重や応力下で溶接接合部がどのように動作するかを予測することが含まれる。他の同様のシミュレーション・ソフトウェアでは、数週間から数か月の分析時間が必要となり、業界にとってボトルネックとなっている。キャストデザイナーの溶接に必要な時間はわずか数時間、場合によっては数十時間である。


  (図6)

地下鉄側壁の溶接シミュレーション 

(図7) 

EV車のバッテリーケースの異なる溶接方法での溶接後の部品変形。

左:MIG溶接 右:MIG溶接とFSW溶接。

(次号へ続く)

 

資料提供

C3P Software International Co.,Ltd.

New York, Hong Kong, Guanzhou.

https://jp.cast-designer.com/

2023年ダイカスト新聞11月30日号掲載

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