(株)イケ
アルミダイカスト製エンジン部品の切削加工とアッセンブリを手掛けるイケ(大阪府岸和田市、池竜太郎社長、TEL 072-479-2305)は鋳巣によるダイカスト製品のモレ検査用に「エアリークテスター」の販売を本格化している。
漏れ欠陥品の顧客への流出を防ぐため、同社はリークテスターを開発し、自社工場内で使用するとともに一部外販もしているが、今春、最新バージョンの開発を機に拡販を始める。「改善を繰り返し、生産現場ならではの工夫が盛り込まれている」(同社)とし、漏れと無駄を食い止め、ダイカストメーカーの検査負担軽減を支援する構え。
モレ検査で企業から挙がる声として、「水没目視で見逃し」、「歩留まりが悪い」、「差圧式なのに不安定」、「多品種少量生産が困難」といった悩みがある。これを受け、同社は企業ごとのニーズ(仕様)に合わせたエアリークテスターを製作し販売。精度を上げるため、ワーク形状に合わせて局部押えや内容積低減を追求した仕様にして提供する。
また初めての導入にもサポート体制を敷く。エアリークテスターを導入するにはモレの規格や良否判定をする値を導き出すなどいくつかの準備作業が必要。ワーク変更時の対応、トラブル発生時の対処方法など過去の事例をもとにトレーニングもサポートしていく。
外販ではこれまで数十社に納入し、ユーザーからは「クレームが激減している」、「検査装置の使い方がよく理解できた」、「気軽に相談に乗ってもらえ安心」等の声が寄せられている。
そのほか特徴は次の通り。
(モレ検査を安定させる治具精度)
モレ検査には推奨メーカーの差圧式エアリークテスターを使用。その精度を最大限に発揮させるために内容積の低減やシ-ル方法の選定など様々な技術を用い、多品種少量生産にも対応できる治具を製作。
(検査精度を上げてコスト削減)
水没目視式から差圧式への移行は過剰な気泡判定をなくし歩留まり向上が見込める。差圧式でも適正な使い方をすることで無駄なNG判定をなくすと同時に、エア消費の削減も見込める。
【イケ】1938年設立、クボタの農業機械・エンジン部品の製造を始め、現在に至る。トラクター、発電機、建機、ユーティリティビークル等のアルミダイカスト製エンジン部品の切削加工とアッセンブリを行ない納入。切削加工は主軸にBT30番のマシニングセンターを揃え、対象製品はギアケース、シリンダーヘッドカバー、シリンダーブロック、ポンプハウジング、ウォーターフランジ等。昨年にはクボタ「調達本部長賞」特別賞を受賞。
海外では1997年タイにIKE(THAILAND)を設立し、アセアン地域のモノづくりに貢献している。4輪や2輪関連会社をはじめ農機具やエアコンメーカーなど幅広い分野の顧客に機械加工専用機や自動化設備を多数納入、日本レベルの品質とサービスで顧客から信頼を得ている。