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労働人口減に対応し、暗黙知を減らしたプロセスの見える化

システム化やマニュアル化など〝仕組み〞の構築が必須

 日本は世界に先駆け、超少子高齢化が加速し、労働人口減は外国人人材を活用したとしても補てんできない状況にある。日本の24歳以下の人口比率は1955年が55%だったが2030年は18%とも予想されている。生産年齢(15~64歳)は2000年の8600万人から2025年に7千万人、2060年に4400万人との試算もある。超少子高齢化により日本の人口形態は以前のピラミッド構造から、極端にいえば逆ピラミッド構造になるような印象を浮かべると今後置かれる雇用環境の深刻度がわかるだろう。


 現下の人材不足を補てんするため即戦力として特定技能を有する外国人材受け入れが始まっているが、ダイカスト経営者諸氏は「あくまで対症療法に過ぎない。企業自体が省人化の仕組みを根本から見直さないと経営持続できない」と捉える。人材不足補てんへ日本より早く取り組んでいるのは中国だ。工員離職率が1年間で8割と入れ替わりが激しい中国は人材流動化と人件費高騰から、自動化投資を国家が主体となり強めている。


 日本の組織は依然、人材流動性が海外に比べ低く、一定の学力や文化共有もあるため、説明しなくても話が通じる部分がある。これが暗黙知を増やしてしまう日本企業ならではの構造となってきた。だが今後、外国人材を常態的に受け入れるとなれば、暗黙知を減らしたプロセスの見える化が重要で、システム化やマニュアル化も進めざるを得ない。


いま規模拡大をしている、ある中堅規模のダイカスト経営者も省人化の新たな仕組みにIOTやロボット、さらにはAIを全面的に取り入れた構想を持つ。コンセプトありきの理想論ではなく、何を目的にそうするのかを明確にし、自社内に合った形でいかに取り入れていけるかに頭を集中させる。


 なお、日本の人口は2048年に9913万人と1億人を割り込み、2060年には8674万人、うち4割が65歳以上になると予想される。15歳以上65歳未満の生産年齢人口も1990年代をピークに減少傾向が続き、就業支援や外国人労働者の受け入れだけではカバーできないスピードで人手不足が進行。中小企業白書によると中堅・中小企業数は2007年に420万社あったが、2027年には約350万社に減ると予想、超少子高齢化といった人口構造上から、人手不足に起因した倒産・廃業が増えることが予想される。


2021年6月3日配信