年頭のご挨拶
関西ダイカスト工業協同組合
理事長 米田 俊雄
明けましておめでとうございます。
新年を迎えるにあたり、年頭のご挨拶を申し上げます。
平素は日本ダイカスト協会ならびに関西ダイカスト工業協同組合正会員・賛助会員の皆様方におかれましては、多大なるご支援とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
昨年の日本経済を振り返ると、マイナス金利政策の解除、1ドル160円台の歴史的円安、日経平均株価乱高下の影響等を受け、景気は足踏みをするも緩やかに回復となり、製造業の生産活動は一進一退ながらも設備投資は増加となりました。インバウンド消費に加えて大幅な賃上げ効果と定額減税による個人消費が牽引役となりましたが、実質GDP成長率の予測値は+0.4%でした。多くの資源を輸入に頼り、円安も加わり、価格を押し上げる要因となっていて、企業は物価高や人手不足に対応するための賃上げを行い、製品価格に転嫁するといった歩みが進んでいます。デフレ下の値上げ交渉は「顧客が離れるかも」といった躊躇から、今は「適切な値上げは理解が得られる」に変わってきつつあります。
政治面では第102代首相に石破茂自民党総裁が選出され、衆議院解散選挙後に第2次石破内閣が発足し、「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」を閣議決定し、「3本の柱」を掲げました。知事選挙では東京都は小池氏、兵庫県は斉藤氏が再選を果たしました。
世界でも重要な選挙が行なわれ、米大統領選挙は「アメリカ第一主義」を掲げたトランプ氏が勝利し、日本経済に関しては短期楽観、中長期悲観のシナリオとなるかも知れません。
他に韓国・尹大統領の弾劾可決、シリア・アサド政権の崩壊、ドイツ・ショルツ首相の信任否決がありました。
国内では政治資金規正法が改正され、政策活動費の全廃、国会議員本人の監督責任の強化等が盛り込まれました。
産業・社会面では元旦に能登半島地震が発生して、避難者は約4万人。2024年問題での時間外労働規制が開始、自動車メーカー認証不正問題、初となる「巨大地震注意情報」の発表など、身近に感じる出来事が多い年でした。スポーツ界ではパリ五輪・パラリンピックが開催され、メダル総数86個の活躍でした。
米MLBドジャースの大谷翔平選手が54-59の偉業達成、記録尽くしのシーズン成績でMVP受賞、ワールドシリーズ優勝にも貢献しました。
2025年はどのような年になるでしょう。
先行きは内需を中心に緩やかな成長が続くと予測されています。実質賃金の回復や年収の壁の解消により個人消費も持ち直し、企業の設備投資も脱炭素化・デジタル化・サプライチェーン強靱化に向けた取組みや人手不足を背景に拡大傾向が続くとみられます。
温暖化ガス削減について2035年の新目標を提出にCOP30の開催、東京都新築戸建て住宅に太陽光パネル設置の義務化など地球温暖化対策が着々と進んで参ります。
4月からは大阪・関西万博が「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催されます。
当組合は昨年に設立70周年を迎え、5月の通常総会に併せて記念式典・祝宴を開催致しました。
当日は御来賓・業界の関係者など多くの方々に御出席をいただき盛大に執り行いました。関係団体の方々に歴代の役員様を交えながら関西組合特有の和やかな時間を過ごす事ができました。同じく11月には横浜で「2024日本ダイカスト会議・展示会」が開催、環境負荷低減などの省エネ、省人への取組みが期待できる設備の紹介と展示、ダイカスト合金、金型・鋳造技術に関する論文、現場改善事例等の発表が行なわれました。
今年も皆様方との交流を深め、会員企業の社員の育成と活性化を推進し、技術委員会・各種研修会・工場見学会・技能検定などの活動を行ってまいります。
結びに日本ダイカスト協会・組合関係各位様の益々のご健勝とご発展を祈念し、新年のご挨拶とさせて頂きます。