WEB SPECIAL
特別寄稿
Cast-Designerで経済変動を克服
〜ダイカストは新しい時代へ〜
Cast-Designerで経済変動を克服
〜ダイカストは新しい時代へ〜
Cast-Designerで経済変動を克服
鹿取事務所
鹿取貞夫
●高関税はいずれ廃止される
米国の一国主義と高関税の応酬が世界経済を不安定にする。しかし、高関税はいずれ廃止される。廃止しないかぎり勝利宣言はできないからである。さらに、物価は上昇し、産業は衰退する。肝心の化石エネルギー増産もその結果として価格が低下し結局減産へ向かう。アラスカの資源開発も4年先に実現すればさらに価格は低下する。
しかし、高関税の賦課、廃止は繰り返される可能性がある。その都度世界経済は混乱する。特に、日本の自動車産業は後発国からの追い上げもあり、EV化、自動運転技術などの遅れもあって厳しい変動を避けられない。ダイカスト業界はその都度激変に耐えなければならない。
2030年を想定する50%EV化への道程も踏み間違えることなく進む必要がある。日本では困難が多いギガキャストや、HVが抱える発電と内燃動力併用の矛盾を解消しなければならない。重要なのは開発のスピードである。他に一歩遅れれば開発の価値は激減する。
●設計と解析の繰り返しが課題
Cast-Designerは当初から米国のTesla、Ford、中国各社のEVのための大型部品設計・生産に広く使用されている。鹿取事務所は2024年日本ダイカスト会議でギガキャストの設計・解析展示して大きな反響を受けた。国内でのギガキャストは未だ商業利用に達していないが、日本と外資企業による海外生産も眼中にいれた関連産業でのCast-Designer活用と試用が逐次進んでいる。
Cast-Designerはギガキャストを含む大型製品の設計、解析の労力と時間を大幅に削減している。結果として製品製造の工程数を大きく減らす。この効果は中型、小型の製品においても全く同じである。自動車部品以外の製品メーカーにおいても、今後急速に進む需要の変化に対応するには、製品の転換、新製品の開発、生産を急がなくてはならない。
在来のシミュレーション・ソフトウエアは高価であり、計算時間も非常に長く、さらに計算結果から同じ操作を何度も繰り返す必要がある。大企業ほど時間の浪費は大きい。
一つの原因は直交型メッシュ法(FDM)にある。Cast-DesignerはFEM/FVMベースのCFDで計算をする。FEMでは溶湯が累積するに従って計算速度が低下するが、Cast-DesignerのCFDは速く、正確である。
●Cast-Designerの特色ある機能
△ Cast-Designerは単に計算が速いだけではない。ゲート・システム設計機能を備えることで法案解析の工数を減らし、容易、適切にする。
△ ゲート・システムでは、フリーデザイン・システム(漫画から3Dに変換)でできる。ギガキャストの場合は、(SmartRunner)によってランナー設計の自動化がはかられる。
△ (SmartCooling)が大型モデルのスライダの冷却を含む冷却システム設計を20倍、30倍高速化する。
△ ゲート・システムを含めた解析結果によって、ただちにゲート・システムとモデルの修正ができ、そのSTLデータをCADに渡すことができる。
△ ゲート・システムの妥当性をプレポスト(QuickCast)で瞬時に確認した上で後続の解析に進める。これらによって解析計算の繰り返しを大きく削減できる。
△ 衝突防止のための解析システムなどなどからの大型のデータの取り込みができる。
△ Cast-Designerは解析結果(FEMデータ)をAbacusなどへ渡せる。
△ 大型製品に限らないが、「変形」の解析は重要な課題であり、Cast-Designerの最も優れた機能でもある。
△ 複数生成される法案の最適化にはCast-Designerの(DOE)はコストがかからず、最も合理的と考えられる。
△ 大・中型製品変形解析、法案最適化の機能は、そのためのオプション・モジュールとPCのCPU増設に対応するソルバーの機能アップが必要である。Cast-Designerの場合はほとんど全ての場合、8CPU/Coreから32CPU/Coreで十分であり、他社のシステムのような128CPUを超えるような莫大な投資を全く必要としない。
△ 意外に効果が高いのは解析結果の報告を簡単に作成できる「報告書作成」機能である。定型書式であることも、部門間、企業間の情報流通を迅速、円滑にする。もはや会議の時代ではない。
●ユーザーにとって何が必要なのか?
ユーザーはソフトウエアへの投資を検討するとき、その機能として何が必要なのか慎重に判断する必要がある。
△ 共通する基本的な課題は気孔である。Cast-Designerは気孔の位置、形状、量をよく推測する。
△ 次に求められるのは熱流動解析、凝固解析である。Cast-DesignerのCFDが効果を発揮する。
△ 基本機能のほかに特別な要求として求められるのは変形解析であり、最適化、冷却設計の効率的な手段である。
△ これらのほかにも、新製品開発に向き合うとき、注入から排出に至るプロセスでさまざまな問題の解決が求められる。
Cast-Designerはそれらの多くに対処して迅速な解決を提供する。ユーザーは新たな問題に接するとき、Cast-Designerに相談してほしい。多くの場合、解決の手段は既に提供されており、解決法はそれに気付き、活用することにある。例外的ではあるが、多少のコストがかかる場合がある。問題によっては、開発元C3P Software International Co., Ltd.のR&D部門(広州清和大学構内)に照会する。秘密保持については必要に応じユーザーから提起される契約に応じる。
●新しい産業経済
情報の氾濫を利用し、世界を支配する米国によって欧州、日本を含む産業国の産業構造が変わる。まず、欧州の再軍備と日本の防衛にかかわる国家予算が急速に膨張する。その巨額の支出を産業が見逃すことはない。受益者は重工業に限らない。機械、設備の供給者、部品、資材の製造業に及ぶ。好ましいことではないが、現実である。
AIの発展とすべての産業の自動化要請に応じることによって、機械、製造と搬送の設備、ロボットの需要拡大は無限である。さらには、造船、半導体の開発生産強化、食糧の増産、エネルギー、電力の確保と蓄電、汎用バッテリの量産、観光サービス振興に応じる建築、交通の整備と機器の需要が生まれる。
これらの産業にダイカストが大きく寄与することは言うまでもない。自動車の国内生産は技術の遅れ、既往設備廃棄の負担、後発国の追い上げで減少するかもしれないが、それを遥かにしのぐ他の産業需要が待っている。
Cast-Designerが新需要に応える製品開発の速さと、それによる市場参入の早さによって多くの成功産業を生み出すはずである。
Cast-Designer開発元:
C3P Software International Co., Ltd.,
Hong Kong, Guanzhou, New York.
日本販売店:
鹿取事務所
〒222-0002 横浜市港北区師岡町1062-3
メール:katori@imold.jp
HP:https://www.imold.jp