人とくるまのテクノロジー展2019 ①ダイカスト編(5)

ダイナカスト、電動化部品は樹脂よりアルミダイカストが優位

 米国を始め世界16カ国、23拠点を持つダイナカストグループの日本拠点、ダイナカストジャパン(東京)は電動化ニーズに合わせヒートシンク等のアルミダイカスト製品〔写真19〕を展示した。グローバルにアンテナを張っているため、ニーズもいち早くキャッチできるのが同グループの最大の利点で、放熱性だけでなくミリ波レーダーなど電波の影響を受けない部品素材として樹脂よりダイカストの優位性が高いとみる。


 メインの精密小物亜鉛ダイカスト製品についても新用途として自動車の内装関連を挙げる。高級感を出したいという要望からジャガーランドローバー向けにドアトリムの一部品に亜鉛ダイカスト製品が採用、欧州拠点で今年から量産開始した。


「これまでは軽量化に加え、安全性が自動車に求められてきたが、次の段階として快適性へのニーズが上がりつつある」と同社。HVやEV化で格段に静音性への意識が高まりをみせているが、自動運転やコネクテッド化も合わせ、今後は社内でいかに快適に過ごせるかがテーマとして浮上。そこには加速性能等が求められる従来の自動車という括りから移動体としての進化に定義が変わりつつあることが背景にある。構造部品の軽量化は当たり前だが、内装などのヒトが見る、接する部分については一概に軽量化だけが正義ではないようで、ここにダイカストの潜在用途があると同グループは捉えている。


写真19