人とくるまのテクノロジー展2019 ①ダイカスト編(2)

「人とくるまのテクノロジー展2019」見学レポート ①ダイカスト編

電動化製品で用途拡げる最新ダイカスト製品


2019年5月22日~24日、パシフィコ横浜(神奈川)で開催された「人とくるまのテクノロジー展2019」は28回目を迎え、出展社数が前年比4・5%増の624社、来場者数は2・6%増の9万5900名と過去最多〔写真1、2〕を更新した。


 同展を見学すると鉄からアルミ、マグネそして樹脂といった素材代替が水面下で非常に激しいことを肌で感じることができる。素材の長所を生かした最適配置、異素材接合をさせる「マルチマテリアル化」発想が定着したことが大きい。従来は鉄の領域、アルミの領域、樹脂の領域といった大体の括りのなかでの競争だったが、現下は領域の境界線は目に見えてなくなりつつある。これには解析・分析技術の進化が大きい。「限界のハードルを越える大きな武器」になっている。

写真1
写真2

 弊紙「ダイカスト新聞」でも毎月、ダイカストに関わる最新の公開特許一覧を掲載しているが、ダイカスト製品を樹脂化する特許がここ10年で非常に増えている。その特許を出願しているのは現在、ダイカストを大量に使っているティア1の大手部品メーカー等だ。


 鉄からダイカスト化への特許ももちろんあるが、傾向としては樹脂化の事例が多い感じだ。こうした流れは自動車以外の電気・電子関連やその他用途でもみられ、どの用途分野でも素材代替が静かにそして加速度的に進行していることがうかがえる。ただダイカストは複雑形状で高強度、高伝導性といった機能的特徴とコストのほか、リサイクル性といった環境面で樹脂よりアドバンテージが高く、循環型産業でもある。2030年をゴールに定めた国際公約SDGsに最も合致しているのがダイカストだ。環境にやさしいといったダイカストの特徴を産業界に訴えていくにはもってこいの時代がこれからといっていい。


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