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特別寄稿第

設計解析の本質とCast-Designer


〜ダイカストは新しい時代へ〜

  設計解析の本質とCast-Designer


鹿取事務所

鹿取貞夫

ギガキャストという複数部品の一括鋳造は、設計・解析シミュレーションの本質を根本から見直す機会かも知れない。複雑なモデルに対しては、当初にゲート・システムを仮定しても、その後、流動、凝固解析、結果の応力解析の回数を重ねなければ、一つの方案を得ることはできない。また、必然的に無数となる初期方案を検討するには、設計・解析を在来の数倍数十倍以上の時間と労力を要する。

Cast-DesignerのTesla社のギガキャストへの寄与は、当初の開発から始まり、今日の世界最大のギガ・モデル開発に続いており、その時間と労力を節減している。他のシミュレーション・ソフトウエアが及ばない速度で課題を解決していることが推測される。日本のEV車生産拡大は2~3年後となる。しかし、ギガキャストを含む開発、実験は既に急速に進んでおり、この技術はEV向けに限らず多様な複合製品にも活用されつつある。 

この機会に設計と解析の本質を考えてみる: 

1.  離散値に基づく計算

 

数値解析とは言え、計算の対象はモデル形状に代わるメッシュ(離散値)であるから、解析の計算と結果はメッシュの品質精度に決定的に依存する。CAD欠陥の修正除去のための基本的な手順だけでなく、メッシュを高速で高い精度で完成させる技術が必要である。

Cast-Designerは複合的FEMに基づく適合型六面体ファスト・メッシュでギガ・モデルのメッシングを30分で完了する。他のシミュレーション・ソフトウエアの追従を許さない速さと、求められる精度を完全に満足させる「Fitting Mesh」タイプのメッシングである。(図1)

Tesla並みの巨大ギガ・モデルの場合は、メッシング、流動、凝固解析のためのソフトウエアを標準の4CPU/CoreからCPU/Core16~32へのアップグレードすることが適切である。これには数百万円のコストがかかる。

(図1)Cast-Designerのファスト・メッシュ 

2. 予備的解析

 

鋳造の本番解析に移る前に、与えられたモデルに対しDFM(Design for Manufacturing)を行うことは本番解析と以降の工程の短縮に高い効果がある。Cast-DesignerのGeo-Designerは予備的充填シミュレーションをして、僅か数分で体積分布を示し、収縮ポロシティなどモデルに存在する課題を数分間で予見する。

3. ゲート・システムの即時評価

 

鋳造のゲート・システム方案の良否は解析の結果を見るまでは分からない。Cast-DesignerのQuickCastは解析結果を待つことなく、方案を即時に評価する。ポストプロセスを繰り返すムダを大きく節減できる。その後、パラメタ値を変更して幾つかのシミュレーションを行い、品質と欠陥の予測をする。

修正後、複数の方案を得た場合、最適方案を得るには操作が簡便なDOE(Design of Experiment実験計画法)がある。多数の方案の評価に対しては進化論的アルゴリズムによるオプティマイザによる並列計算を試みることができる。ただし、これには相当の労力と技術を要する。

4. 応力解析からの回帰

 

実際の製造結果を方案に反映しなければならない。現場は設計部門、解析部門、製造部門に分かれていることが普通であり、それぞれが責任範囲を限定し勝ちである。全部門が一体となり、密接に情報を交換しなければ最良方案を得ることはできない。Cast-Designerの場合は設計から鋳造結果の応力解析までが一気通貫で繋がっている。そのためフィードバックや設計変更を非常に最短時間で反映できる。

5. 人間の勘と知恵

 

GPT-AIやセンサが発達し、ロボットが人力を代替するなど自動化が進むと、人間の勘や知識の蓄積が止まるおそれがある。最終的に問題を解決するのは、どんな場合でも「人間の知恵」である。それは、知識、習慣、熟練、馴れ、伝統、モットー、方針を越えた判断である。

6. 残留応力解析

 

理論上の材質モデルとデータを使用して構造解析を行うだけでは不十分である。Cast-DesignerのCDPE( Cast-Designer Performance)のSmartAssembly/Processは残留ひずみと残留応力を予備ひずみと予備応力として受け入れることができる。標準のCast-Designerシミュレーション結果から流動・凝固解析の結果を直接インポートできる。CDPEの応力、残留応力解析(節点応力、節点Mises等を含む)の結果は、他の何れの構造解析ソフトウエアともほぼ同じである。高速であるためCPU計算時間が節減できる。さらに、Abaqus等で行われている確認計算の時間と労力を節減できる。(図2、図3)


(図2) 歪み 

(図3)Mises節点解析

7. 変形の修正

 

変形をシミュレーションし、修正ができる。鋳造製品の変形を自動反復計算で徐々に補正する。Cast-Designer WELD(溶接のシミュレーション)の場合は、変形を予測し、クラップの設定を促す。MechSolverモジュールは鋳造金型の変形を予測してバリの発生を防ぐ。


(図4) 変形補正

8. ポロシティを詳細解析

 

鋳造者の関心は常にガスの巻き込みとその結果製品のポロシティにある。Cast-Designerにはスリーブにおけるピストン動作、適正な真空設定に便宜を提供する。また、残存する気泡の位置とおよその形状、サイズおよびそれらの気泡が表面、内側に存在する状態、表面と内側の気泡が連結している状態を確認することができる。

(図5) 気泡の最終状態

9. 精密部品と大型重力鋳造物

 

Cast-Designerが通常のダイカストの他大型重力鋳造、ロストワックス、チクソ成型に迅速、精確な解析力を提供するのは勿論である。今後需要増大が期待される精密部品、光学機器、自動機器類、マイクロ・キャスト、ロボット部品の迅速な市場供給に貢献する。

 

10. 短期開発は至上命令

 

EV車の累計販売台数は23年の4500万台弱から30年に6倍の2億5000万台、35年には12倍の5億2500万台超に達する見込みという推計もある。主に中国メーカーを中心とした低価格車がEV市場を拡大する。新車開発には5~6年かかる。中国勢は1~2年で開発する。設計を保障し、工程の最短化を図るシミュレーションへの期待は非常に大きい。市場からの至上命令とも言える。短期開発の課題は自動車産業に限ったことではない。Cast-Designerはその期待に応える。

 

11. 大型構築物の溶接設計シミュレーション

 

Cast-Designerの構造解析機能と共通する大型構築物の溶接設計・シミュレーションのCast-Designer WELDを推進する。既に世界有数の企業が、自動車をはじめ車両、船舶、航空機、建設機械の分野で数多く採用するソフトウエアである。

 

出展   2024 名古屋インタ―モールド 62628日ポートメッセ 小間 2-256

以上


                                                                  Cast-Designer日本販売店:  鹿取事務所

〒222-0002 横浜市港北区師岡町1062-3

資料提供:C3P Software International Co, Ltd.

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