ダイカスト新聞社は3年ぶりに「ダイカスト工場便覧2025年度版」(販売価格1万1千円・税込)を8月末(2025年)に発刊しました。1962年の初版から数えて63年目、29回目の発行となります。お申し込みは弊紙メール(office@tkdcnews.com)まで。
本便覧は非常に膨大な設備を抱える全国のダイカストメーカー、金型メーカーを主に事細かな生産設備から生産量、取引先、外注先などを収め、他産業には存在しない「精緻なものづくり企業概要」として長年好評を博しています。コロナ禍を通して各企業の設備投資も以前とは異なり、カーボンニュートラルそして人材不足対応が急務となっており、2025年度版工場便覧でもこの3年間の変化を収録した構成となっています。
現下の国内ダイカスト業界は2020年以降、コロナ禍を底に、まだら模様ながらも自動車向けを主に生産回復基調にあります。しかし世界情勢の変動、ユーザーの生産調整にはじまり物価高、人件費上昇、人材不足の深刻化と何十苦の事業環境下で、企業経営の圧迫度はかつてなく高い状態にあります。
ユーザーの生産調整や世界情勢の変動に翻弄されますが、安定供給死守へダイカスト業は設備更新に追われるのが常です。そのなかで近年はカーボンニュートラルに向けた生産体制で同業他社に先んじて差別化を図る動きが活発になっています。さらに脚光を浴びるギガキャストを機に、アルミダイカストの大型用途需要が増し、ギガキャストに対抗し、接合を前提に4千~1千㌧クラスまでの既存マシンでギガキャストに近づくサイズの大型製品を作ろうとする機運も高まっています。
中小規模のダイカストメーカーでも従来より大型の物を取り込もうする動きがみられ、機器類の新設や新工場建設等を計画する企業も出ています。さらに今後は人材不足に対応した省人化機器類の投資も飛躍的に増えることが予想されます。
本便覧の編集においては、各社にアンケート資料を郵送し、期限内に返送(郵送・メール)してもらっておりますが、自発的な回答率は8割近くに上ります。本便覧ではこうした各ダイカストメーカー、ダイカスト向け金型企業が所有する設備機器類が一目でわかり、これら企業は「(ユーザーに対し)自社の生産体制を知らせる場」と本便覧を位置付けている声が多くあります。いわば本便覧はダイカスト業界企業が全員参加で作った書物といえます。
「2025年度版ダイカスト工場便覧」
全国のダイカストメーカー、金型メーカーを主に企業概要を収録。例としてダイカストメーカーの収録内容は次の通り。▽本社及び工場所在地▽代表者▽資本金▽決算期▽沿革▽工場敷地面積・建屋面積▽ダイカストマシンの保有台数(型締力別、メーカー別)▽製品種目(自動車部品など)▽納入先▽月産量(アルミ、亜鉛、マグネ)▽月産額▽金型工作設備▽仕上加工設備▽溶解設備▽資材仕入先▽取引銀行▽役員▽従業員数▽生産設備計画▽HP及びEメールアドレス▽人材募集予定。
◇訂正
P87 東京軽合金製作所
【資材仕入先】の下記部分を訂正いたします。
※訂正前 ※訂正後
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