日本装置開発(株)

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革新的な非破壊内部検査、X線CT装置で世界初の4画面マルチスキャン

スキャン時間は従来比36倍速のたった9分


 日本装置開発(長野県安曇野市、木下修社長、TEL.0263-71-1222)は非破壊内部検査の革新的な効率化を目指し、世界初となる4画面マルチスキャンによりスキャン時間9分と従来比36倍の超高速性を実現した産業用X線CTスキャナ「CTH320/300μFPD」を開発した。

同社CTの最上位機種としてリリースした同装置は超高速性のほかスキャンエリアは従来比2.7倍(500×500㍉、141ℓ)、動的スキャン画像の鮮明度20%向上といずれも世界初の性能を実現。さらにデュアルX線(同時搭載)により拡大微細スキャンと広域大空間スキャンが1台で可能(4画面マルチCT可)となり、大型厚肉部品検査と高拡大微細検査が1台で済むマルチ性も大きな特徴になる。



 SDGsをはじめ脱炭素、省エネ社会へ世界が大きく舵を切るなか、同社は「評価方法としての見える化で、イノベーションを起こす強力な武器になる」と開発装置を捉え、自動車の大型部品用途でますます拡がりをみせるダイカスト向けの市場投入に意欲を見せる。

 部品の内部非破壊検査ではX線CTスキャナが最も優れた性能を発揮する反面、検査時間が長いというデメリットがこれまであった。この課題を踏まえ、開発したのが今回の機種で世界初の4画面マルチスキャンにより、他社製大型CTに比べると36倍の高速性を達成。スキャンサイズ最大φ720×H320㍉に対し、スキャン時間は従来の5.5時間から9分へ大幅な短縮化を実現した。


この4画面マルチCTは既存CTの理論限界を超えるため、新開発の技術と高精度位置決め技術を基に開発した。新開発技術は2点で、X線の焦点を中心にして、X線の光軸を移動するカメラの中心に向けて照準し追尾する「X線光軸カメラ追尾機能(特許)、被写体を搭載する回転テーブルの回転角度とカメラのシャッターを厳密に同期する「シャッター、テーブル同期機能(特許申請中)になる。


また基礎となる高精度位置決め技術はもともと同社が得意とするノウハウで、今回新たに直動ガイド/ボールネジ/NCモータ・筐体など設計・組立を見直し、従来の誤差0.02㍉以内に対して0.01㍉以内を実現した。



なお、新装置「CTH320/300μFPD」の仕様は次の通り。

 ◇検査可能サイズが最大φ720×320㍉(1回撮影)

 ◇積載重量が最大150㌔㌘

 ◇X線源は320kV/ミリフォーカス、300kV/マイクロフォーカス(同時搭載)

 ◇装置寸法は2300×2155×2250㍉(本体)

 ◇装置重量は10㌧(本体)、1㌧(付属装置)