(株)ダイレクト21
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二次充填によるダイカスト内部欠陥を大幅改善、鋳造圧力は250MPa
含浸レス、マシン小型化可能
「スーパースクイズシステム」
金型内溶湯の見える化装置の製販を手掛けるダイレクト21(神奈川県相模原市、岩本典裕社長、TEL042・705・2431)は二次充填によるダイカスト製品の内部欠陥を大幅改善策としてランナーからの第二射出という発想を取り入れた手法「スーパースクイズシステム」を開発した。
ダイカストは凝固する際に約6%の体積収縮が生じるため、これを補うためゲート凝固前はランナー部から、ゲート凝固後は製品部から加圧し内部品質低下やヒケ巣防止を図る。これを同システムは双方から従来の約4倍となる鋳造圧力250MPa(鋼材の許容圧縮応力内)で加圧する仕組み。懸念されるバリ吹きも抑制が検証済みで、良品率向上が図れるため全数含浸していた製品が含浸レスになり、ダイカストマシンのダウンサイジング化も可能だ。「ダイカスト現場の夢だった“あとひと押し„を実現し、専業各社にとって技術の差別化が図れる」(同社)と捉える。これにともないロボットシステムメーカー、サンフィールド(神奈川県平塚市)工場内の一角を借りた展示スペースを開設、全自動実演を行ない、装置の評価用として月単位での貸出も行なう。
開発したスーパースクイズシステムは2018年発表の新局部加圧システムとそれをベースに大手専業メーカーと共同開発したランナー加圧システムを搭載した装置(特許共同出願中)から成り、ランナー加圧1軸と局部加圧2軸を標準構成とする。この仕組みによりランナー加圧ピンや局部加圧ピンで押しのけられた溶湯はほぼ製品部へ圧入され、ヒケ巣防止や製品内部密度向上に寄与する。このため従来は全数含浸していた製品が含浸レスになる(新局部加圧システムのみでの事例)可能性が高い。
またダイカストマシン800㌧から350㌧機へ等のダウンサイジング化にもつながる。従来は(型締力>投影面積×鋳造圧力)の制限があったが、ランナー加圧では加圧タイミングを金型バリ吹き臨界時間より遅らせることでバリ発生を抑制し、型締力を超える鋳造圧力が可能になる。さらに給湯量のバラツキが最良加圧タイミングに影響するため、独自制御回路を装着して安定した連続動作が可能で、このため従来の増圧動作をなくすことができるためダイカストマシンに金型を取付けることができればダウンサイジング化が可能だ。各軸にストローク表示ユニット及び流量制御装置が装備され、各シリンダーの位置計測や制御を行うため、汎用シリンダーがそのまま使えるのもメリット。
単独油圧源により導入・設置も容易で、販価はランナー加圧1軸(シリンダーサイズΦ100×50ストローク以内)と局部加圧2軸(シリンダーサイズΦ63×30ストローク以内)のシステムとして750万円、ランナー加圧装置単独ではランナー加圧1軸(シリンダーサイズΦ100×50ストローク以内)で530万円。
「スーパースクイズシステム」の特徴
①単独油圧源により導入・設置が容易
スーパースクイズはランナー加圧1軸と局部加圧2軸を標準構成とし、各加圧動作は同時ではないため油圧ユニットを共用化し、マシンからの油圧供給による影響を排除するために単独油圧源とした。またランナー加圧は高速化が必要なためアキュームレータを設置し、局部加圧は従来と同様に圧力補償付流量調整弁を設置。マシン制御と接続できれば容易に運転可能。
➁製品良品率が向上
ランナー加圧ピンや局部加圧ピンで押しのけられた溶湯は、ほとんどが製品部へ圧入され、ヒケ巣防止や製品内部密度向上に貢献。従来、全数含浸していた製品が含浸レスになった事例もある。
➂ダウンサイジング化への対応
従来は(型締力>投影面積×鋳造圧力)の制限があったが、ランナー加圧では加圧タイミングを金型バリ吹き臨界時間より遅らせることでバリ発生を抑制し、型締力を超える鋳造圧力も可能になる。また給湯量のバラツキが最良加圧タイミングに影響するので独自制御回路を装着して安定した連続動作が可能。この結果、従来の増圧動作をなくすことも可能で、ダイカストマシンに金型を取付けることができれば、ダウンサイジング化ができる。
④ストローク表示ユニット(タッチパネル)でピン動作のグラフ表示とストロークの記録が可能
各軸にストローク表示ユニット&流量制御装置が装備され、各シリンダーの位置計測や制御を行うため、汎用シリンダーがそのまま使える。液晶画面上のグラフでピンの動きが容易に定量把握でき、設定値の変更操作もタッチパネルで簡単。またフィードバック(学習)制御やトレーサビリティも可能。
➄加圧の使用・不使用の選択切り替えで評価判定や事前検証が容易
圧力・流量・タイミングを要求品質に応じ自在設定が可能なため、加圧動作(使用・不使用)で従来との比較が容易にできる。また局部加圧・ランナー加圧も基本的に凝固収縮なため、各ヒケ率を考慮し、鋳込み重量や製品重量から事前に算出検証(ピンの口径とストローク)が可能。