「ダイカストの設計を考える」

ダイカスト新聞社は2021年11月18日に新刊「ダイカストの設計を考える」(著者・西直美ものつくり大学名誉教授)の発売を開始しました。

 従来、ダイカストの設計に関する文献資料は散在していましたが、これらを一つに体系的にまとめた著者の集大成となる「考える」シリーズ第3弾で、ダイカストの未来を創る、世界初の設計ノウハウ集です。大好評の「ダイカストの欠陥・不良を考える」を上回るボリューム(A5版、400頁)で、セミナーにすると数十回分相当に上る世界初のダイカスト設計コンテンツとなります。


新書籍は本紙で2016年6月から2021年3月までの新聞連載内容に新たに加筆し、膨大な図表・画像そして数式から構成。2010年発刊の「ダイカストを考える」に比べると分量は3倍超の分量に相当します。


全5章で構成し、(1章)ダイカストの概説、(2章)ダイカストの設計概略、(3章)製品設計=合金材料及び鋳造法・装置の選定、製品部の基本設計ほか、(4章)鋳造方案設計(5章)金型設計。(詳細は下記ご参照ください)


また書籍の体裁にした永久保存版の技術コンテンツとして、使いやすい工夫を施し、長期保存に最適な製本(糸綴じ、ビニールカバー等)で、現在ではほぼ皆無となった耐久性ある手法で職人達が丁寧に作り上げています。


マルチマテリアルが進むなか、各素形材が生き残りをかけ、いま用途開拓に力を注いでいます。「設計を制するものがマルチマテリアルの勝者になる」と言われ始め、設計段階からユーザーに提案できる能力が中小企業でも求められています。

さらにデジタル化進展で生産現場の標準化が進み、製造工程だけで差別化することは難しく、「コストダウンのチキンレース」の様相を呈しています。このため設計から関わることで製造工程の負担軽減、そして低コストへの方策になっています。こうしたニーズに沿い新刊「ダイカストの設計を考える」は設計に役立つ最新ノウハウを余すことなく網羅しています。


【西直美氏】1955年長野県生まれ、1985年東海大学大学院工学研究科金属材料工学専攻博士課程修了(工学博士)、1985年リョービ入社、2002年日本ダイカスト協会に移り技術部長、2016年ものつくり大学技能工芸学部教授に就任、2021年4月からものつくり大学名誉教授。




定価は税込1万7600円(送料別途)(※送料は1冊180円、2冊370円、3冊以上はお送り先地域により異なります

 お申し込みは冊数及びお送り先を明記の上、メール(office@tkdcnews.com )にて受け付けております。

 なお、お支払いは商品とともに御請求書をお送りいたしますので、到着後に銀行振り込みにてご入金ください。


「ダイカストの設計を考える」の目次は次の通り。

章 ダイカストの概説】

(1)ダイカストとは、(2)ダイカストの歴史、(3)ダイカストの特徴、(4)ダイカストの鋳造組織、(5)ダイカストの実体強さ、(6)ダイカストの用途(①アルミ合金ダイカスト②亜鉛合金ダイカスト③マグネ合金ダイカスト④銅合金ダイカスト⑤その他合金)

【2章 ダイカストの設計の概略】

(1)設計とは、(2)ダイカストの設計

【3章 製品設計】

(1)製品設計の手順、(2)合金材料の選定、(3)鋳造法の選定、(4)ダイカストマシンの選定、(5)製品の取り数、(6)製品部の基本設計(①ダイカストの強さ②寸法公差③肉厚④鋳肌⑤隅・角部の丸み=R、フィレット⑥抜勾配⑦製品の詳細形状⑧鋳出し文字・装飾⑨インサート⑩アンダーカット⑪削り代⑫表面処理

【4章 鋳造方案設計】

(1)鋳造方案の名称、(2)湯流れと凝固の基礎(①湯流れ現象②凝固現象)、(3)鋳造方案の基礎(①許容充填時間②ゲートからの溶湯の流出③P-Q2線図④CAEの活用)、(4)鋳造方案設計(①鋳造方案設計の流れ②製品レイアウト③金型分割面の設定④セグメント分割⑤射出スリーブの設定⑥ゲート位置、大きさの決定⑦ランナー⑧ゲートランナー⑨オーバーフロー⑩エアベント)

【5章 金型設計】

(1)金型設計の概略(①ダイカスト金型②ダイカスト金型の構造③ダイカスト金型設計の留意点④ダイカスト金型の設計の流れ)、(2)金型構造の設定(①ダイカスト金型の基本構造②その他の金型構造③ダイカストマシンの違いによる金型構造④取り数による金型の分類⑤おも型の構造)、(3)キャビティレイアウトの設定、(4)金型分割面の設定、(5)金型の大きさの設定(①金型の大きさ②金型の剛性)、(6)縮み代の設定(①縮み代とは②ダイカストの縮み代③縮み代の計算例)、(7)製品押出(①押出機構②押出ピンと押出板③押出ピン以外での押し出し④離型力⑤押出ピンの座屈⑥押出ピン本数⑦押出ピンの配置)、(8)金型冷却設計(①金型温度②冷却法案と冷却管の種類③金型冷却設計の手順④冷却管のトラブル⑤冷却以外の金型温度制御)(9)金型材料の選定(①金型に使用される材料②使用部位・部品別の金型材料)、(10)金型の熱処理・表面処理、(11)ダイカスト金型の損傷と対策。