2022ダイカスト展示会注目のブース

豊電子工業


アルミダイカスト大型一体成形及び構造部品のニーズ増に超大型機まで対応

「アルミ真空注湯ロボットシステム」

豊電子工業(愛知県刈谷市、0566-24-2360)は大型一体成形やサスタワー等の構造部品でのアルミダイカスト用途増に合わせ、給湯とレーザ加工のロボットシステムをダイカスト展で披露する。

大型一体成形ニーズにともなうアルミ給湯量の大容量化に合わせた商品としてはアルミ注湯システム「MELTEC アルミ真空注湯ロボットシステム」があり、このほど最大搬送溶湯重量100㌔㌘をラインナップに追加した。ダイカストマシン8800㌧まで対応できる。既販は1~40㌔㌘までだが、バッテリーケースやアンダーボディ、サイドメンバーなど大型ダイカスト需要増から新たに加え、さらに今後、溶湯重量150㌔㌘追加も評価中だ。

同アルミ真空注湯ロボットシステムはラドルや圧送など従来のアルミ注湯方式のデメリットを改善する新方式のシステムで、オーストリアのメルテック社が開発した。ロボットに取り付け、ラドルの代わりに注射針のような密閉状態の格納コンテナ(セラミック容器)で溶湯を搬送し温度低下や酸化を防止、大幅な省エネにつながるのが特徴。具体的にはロードセルで湯面圧力を検知し充填することで高い注湯精度や繰り返し精度を実現。さらに表面層以下から吸い上げることによって酸化皮膜の吸い上げを防止する。 

なお、従来ラインナップは最大搬送溶湯重量1~40㎏まで計7タイプ。1㎏(ユニット重量22㎏、サイクルタイム22~30sec)、3㎏(28㎏、30~50 sec)、5㎏(33㎏、40~60 sec)、10㎏(48㎏、45~65 sec)、20㎏(75㎏、60~80 sec)、25㎏(85㎏、70~90 sec)、40㎏(125㎏、120 sec)。


 大型複雑形状製品ニーズに「レーザ切断ロボットシステム」


今後、大型複雑形状のダイカスト製品が増え、加工面で新たなニーズも浮かび上がり、レーザでしか切断できない製品が急増することが予想される。これに備え、豊電子工業はセキ折りやトリミング工程で威力を発揮する「レーザ切断ロボットシステム」も紹介する。

高速切断ができ、切断熱影響も少ないため生産性が向上、さらに倣い制御搭載による品質安定化が可能だ。またヘッド内の温度を監視して未然に故障防止できる利点もある。切断速度は最大20m/min、最大ワークサイズは600×600(mm)、H200mm、対象材質はアルミ・鉄・銅・樹脂。同社ではユーザーの加工トライも行う。

レーザ切断はレーザの高密度エネルギーにより局所加熱が可能なため、低歪にてワークの切断が可能となる。またワークとの距離を常時監視できることで、凹凸があるワークでもヘッドとワークの距離を一定に保つことができ、切断品質の安定化が図れるのが特徴。